室内ドアは毎日使う大切な建具ですが、長年の使用で丁番が緩んだり、取っ手がガタついたり、建付けがズレて重くなることもあります。賃貸や中古住宅では前の居住者の使用状況によって劣化が早まることも。
小さな不具合が重なるとストレスとなり「交換したい…」と感じる瞬間が訪れます。交換は業者依頼が安心ですが、条件次第ではDIYも可能です。ただし、事前の準備や確認を怠ると失敗につながることもあるため、ポイントを押さえることが大切です。
特に引き戸は枠やレールに大きな傷みがなければ比較的取り組みやすい建具です。

一方、開き戸は丁番やラッチの調整が必要でやや難しいですが、ドライバーやメジャーで対応できる場合もあり、枠を活かせば大掛かりな工事は不要です。
DIYなら費用を抑えて好みのデザインにできるのが魅力。本記事では初心者でも取り組みやすいよう、必要な道具や種類別の注意点、作業の流れを解説し、失敗しないためのポイントも併せて紹介します。
費用の目安も気になるところです。引き戸のリフォームはDIYで約2〜20万円、業者依頼で8〜40万円が一般的。クローゼット扉の交換はDIYで2〜5万円、業者依頼で5〜20万円前後が目安です。
👉 詳細な内訳は下記関連記事で解説しています。
関連記事(襖を引き戸に交換する費用): 襖から引き戸に交換する費用は?DIYと業者の違いも徹底解説|レール交換や取り付け方法も紹介
関連記事(クローゼット扉の交換費用): クローゼット扉を交換する費用について│DIYと業者の相場を徹底比較
※開き戸の費用については現在まとめ記事を準備中です。公開次第リンクを追記いたします。

和室リフォーム本舗の太田です。建具業界に15年以上携わり、現在はWEBやブログを担当しています。紙好きで襖紙の知識には自信あり。 当社は創業昭和21年(1946年)。自社工場からメーカー直販で、全国へ建具をお届けしています。
目次
- 準備編:室内ドア交換DIYに必要な道具とパーツ一覧
- 室内ドア交換DIYの前に確認すべきチェックポイント
- 室内ドアの選び方|種類別の特徴と選定ポイント
- 交換編:室内ドアの外し方と取り付け方法(DIY手順付き)
- 仕上げとアフターケア|室内ドアを長持ちさせるコツ
- 失敗しないために押さえておきたい!DIYドア交換の失敗例と安全対策
- DIYでは難しいケースと業者依頼を検討すべき場面
- 図解でわかる!室内ドア種類別の比較表・チェックリスト
- 取り外したドアの処分(粗大ごみ)チェックリスト
- よくある質問(FAQ)|室内ドア交換の費用・手順・注意点
- まとめ:室内ドア交換をDIYで成功させるポイント
準備編:室内ドア交換DIYに必要な道具とパーツ一覧
ドア交換に必要な工具や部品は多くありません。ただし不足すると作業が中断し、買い出しで時間を取られる原因になります。スムーズに進めるため、事前準備はとても大切です。
ドア交換に必要な工具・部材はタイプごとに異なります。以下の図と一覧表でわかりやすく整理しました。
DIYドア交換に必要な工具・部材
共通で必要な工具

引き戸で必要な工具

開き戸で必要な工具

折れ戸で必要な工具

区分 | 工具・部材 | 補足説明 |
---|---|---|
共通工具 | プラスドライバー/インパクトドライバー/メジャー/水平器 | 丁番や取っ手の着脱に必須。インパクトがあれば効率アップ。採寸ミス防止のため幅・高さ・厚みを正確に測定し、水平器で傾きも確認。 |
開き戸 | ドア本体/ハンドル(取っ手)/ラッチ受け/丁番 | 丁番やラッチ位置の調整が必要。 |
引き戸 | ドア本体/戸車(※)/下レール(※) ※下レール仕様の場合 | 枠やレールの状態を要確認。 |
折れ戸 | ドア本体/レール/ピポット/取っ手/スパナなど | 折れ戸は前方にせり出すため、前面に家具や壁が干渉しないスペースを確保しましょう。カーテンレールやエアコンにぶつからないか確認することも大切です。また、段差や床材によってはレールの設置が難しい場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。 |
👉 各ドアには専用金具が必要で、流用はほとんどできません。誤って違うタイプを購入しないよう、自宅のドアの種類を必ず確認しましょう。
室内ドア交換DIYの前に確認すべきチェックポイント

作業を始める前に「サイズ・開閉方向・枠の状態」を確認しておきましょう。これを怠ると「購入したのに取り付けられない」といった失敗につながります。
開き戸の場合
枠のサイズを正確に測定/右開きか左開きかを確認/床や天井との隙間を確認(擦りや気密性に影響)
引き戸の場合
幅・高さに加え、溝の幅や柱からの距離も測定/取っ手の位置を確認(片引き戸は使い勝手に直結)/鴨居(上レール)と戸の当たり具合を確認し、戸車やガイドで調整できる余地があるか、チェック
折れ戸の場合
幅・高さが収納スペースに収まるか確認/可動域を確認(家具やベッドに干渉しないか)/既存レールが流用できるか確認
室内ドアの選び方|種類別の特徴と選定ポイント
ドアは仕切りだけでなく、部屋の印象を大きく変えるインテリア要素です。
- 素材:木製は温かみがありナチュラルに、アルミ製はモダンでスタイリッシュ。
- 色:白は空間を広く見せ、濃色は落ち着きと高級感を演出。
- デザイン:フラットタイプはシンプル、ガラス入りは採光で開放感をプラス。
また、用途に合わせた選び方も重要です。
- 寝室には防音性の高い開き戸
- 和室や洗面所には省スペースな引き戸
- 収納には折れ戸
出典元:失敗しない!室内ドアの選び方 子育て安心住宅&デザインラボ(※外部ページに遷移します。)
交換編:室内ドアの外し方と取り付け方法(DIY手順付き)
開き戸の場合
取り外し方
- 床を傷つけないように、タオルやマットを敷いて養生します。
- ドアを全開の状態にします。
- ドアの両側をしっかり持ち、持ち上げて枠側の丁番の軸から外します。
⚠ 転倒やケガ防止のため、可能であれば2人で作業してください。
取り付け方
- 取り付け作業時も床にタオルなどを敷いて養生します。
- ドアの両側をしっかり持って持ち上げます。
- ドアの丁番を枠側の丁番の軸に正しく差し込みます。
- 開閉してスムーズに動くか確認してください。
引き戸の場合
取り外し方
- 戸を鴨居の奥に押し込みながら、持ち上げます。
- 下の敷居(レール)から戸を外し、手前に抜き取ります。
- 外した戸は各自治体のルールに従って処分してください。粗大ごみ扱いが基本ですが、木製ならリメイク利用もおすすめです。
取り付け方
- 敷居(レール)をきれいに清掃しておきます。
- 戸を持ち上げ、鴨居の溝に奥まで差し込みます。
- そのまま戸を下ろして、敷居(レール)にはめ込みます。
- 必要に応じて戸車を調整し、スムーズに開閉できるか確認してください。
戸車の調整について以下ブログをご確認ください。
関連記事: 引き戸の戸車の調整方法について│自分で簡単にできる隙間(高さ・傾き)調整方法を図解付きで解説!
折れ戸の場合
取り外し方
- 扉を半分折りたたんだ状態にします。
- 上部のピンや金具を外し、上のレールから本体を外します。
- 続いて下のレールや金物から順に取り外します。
- レールにホコリやゴミが溜まっている場合は、このタイミングで清掃しておくと再取り付けがスムーズです。
取り付け方
- レールとガイドを正しく設置します。
- 扉本体をレールにはめ込み、金具を固定します。
- 折りたたみ動作を繰り返し、スムーズに開閉できるか確認してください。
どのタイプも「水平・垂直」を意識して微調整するのが成功のポイントです。
当店の後付けクローゼット取り付け方法はこちら
関連記事: 後付けクローゼットの「取り付け方」の保存版!│ふすまミゾを活かしてDIY!押入れを劇的リフォーム
仕上げとアフターケア|室内ドアを長持ちさせるコツ
新しく取り付けたドアは、微調整で使い心地が大きく変わります。開き戸は丁番の位置・ビス締め、引き戸は戸車のネジで高さ・当たりを調整し、開閉時の引っかかりや隙間を確認しましょう。
さらに長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが大切。丁番へ潤滑油を差す、取っ手の緩みを確認する、木製ドアは乾拭きやワックスで表面保護をすると寿命が延びます。
失敗しないために押さえておきたい!DIYドア交換の失敗例と安全対策
サイズ測定ミス
上下2〜3か所を測って誤差を確認。迷ったら小さめを選び、調整材で補いましょう。
工具の扱いに不慣れ
練習用の部材で試し、軍手や保護メガネを着用。少しずつ丁寧に作業します。
無理に押し込む
入らない場合は再採寸。必要に応じて加工やオーダーを検討しましょう。
一人で無理に作業
重いドアは必ず二人以上で対応してください。
周囲との干渉
カーテンレールや床材の厚みが原因で、扉が最後まで開かないことがあります。設置前に周囲との干渉を確認しましょう。
- 【失敗例】カーテンレールに当たり、クローゼット扉が開かない
- 【失敗例】床材の厚みで扉が干渉し、スムーズに開けられない


👉 作業前には必ず床・壁・金物を養生し、キズや汚れを防止しましょう。
基本的な引き戸の測り方はこちら
関連記事: 【保存版】引き戸の採寸方法|ふすま・障子の測り方もやさしく解説
DIYでは難しいケースと業者依頼を検討すべき場面
- 枠が大きく歪んでいる場合
- 壁の補修や加工が必要な場合
- 重量ドアや大型の折れ戸
- 吊りタイプの引き戸
👉 専門業者なら短時間で美しく仕上がります。DIYとプロ、それぞれのメリットを理解して選びましょう。
図解でわかる!室内ドア種類別の比較表・チェックリスト



ドア種類 | 開き戸 | 引き戸 | 折れ戸 |
---|---|---|---|
開閉方式 | 枠の丁番を軸に回転して開閉(通常は一方向:内開き/外開き) | 横にスライドして開閉 | 丁番で複数パネルを折りたたむように開閉 |
DIY難易度 | 中~高(初心者には難しい場合あり) | 低〜中(レール補修なければ比較的簡単) | 中(専用レールと金具の扱いが必要) |
主な使用場所 | 寝室・リビングなど一般住宅の主扉に多い | 和室・洗面所・賃貸などコンパクト省スペース向き | クローゼット・収納・狭い場所に適用 |
設置スペース | 開閉のために前後スペースが必要 | 壁沿いに開閉、前後スペース節約 | 開閉スペースは開き戸の約1/3、狭い場所向き |
費用については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事: 襖を引き戸に交換する費用
関連記事: クローゼット扉の交換費用
取り外したドアの処分(粗大ごみ)チェックリスト
- 区分確認:多くは粗大ごみ(目安:一辺30cm以上)。自治体ページで最新ルールを確認
- 料金目安:処理券 300〜1,500円/1点(素材・サイズで変動)
- 自己搬入:クリーンセンターは10〜20kgごとに数百円程度が相場
- 分別:木部と金物を分ける/ガラスは別区分&養生必須
- 搬出:角の保護、ビス先端のテーピング、二人以上で安全運搬
- 集合住宅:共用部の一時置き・搬出ルールを管理規約で確認
よくある質問(FAQ)|室内ドア交換の費用・手順・注意点
Q1. 室内ドアの交換は本当にDIYでもできますか?
A.はい、基本的な工具(ドライバーやメジャー)があればDIY可能です。ただし枠の歪みや重量ドアは業者依頼を推奨します。
Q2. どんな種類のドアでもDIYで交換できますか?
A.開き戸・引き戸・折れ戸など多くが交換可能。ただし専用金具が必要で、流用はできません。
Q3. 採寸のコツはありますか?
A.上下2〜3か所を測って比較。枠の歪みを見逃さないことが大切です。
引き戸の測り方はこちら
関連記事: 【保存版】引き戸の採寸方法|ふすま・障子の測り方もやさしく解説
Q4. 初心者でも失敗しないためのポイントは?
A. 「サイズ確認」「工具練習」「無理に押し込まない」「二人以上で作業」を徹底してください。
※ 取り外したドアの処分は自治体によって区分・料金が異なります。
Q5. 取り外したドアの処分は粗大ごみになりますか?費用の目安は?
A.多くの自治体でドアや建具は粗大ごみ扱いです(目安:一辺30cm以上)。料金は処理券で300〜1,500円/1点が一般的ですが、素材やサイズで変動します。自己搬入の場合は、クリーンセンターで10〜20kgごとに数百円程度が目安です。
※基準・料金は自治体により異なります。最新情報はお住まいの自治体公式ページをご確認ください。
まとめ:室内ドア交換をDIYで成功させるポイント
本記事は、初心者でも失敗を避けられるように、【種類別DIY手順】【粗大ごみ処分チェックリスト】などをまとめました。
室内ドア交換は、DIYの中でも比較的挑戦しやすい作業です。正しい手順と道具を押さえれば、初心者でも十分実現可能。DIYで自分好みのデザインにリフォームできるのは大きな魅力です。
「準備」「確認」「微調整」を意識すれば、住まいの快適さは格段に高まります。ぜひ自宅に合ったドアを選び、理想の空間づくりを楽しんでください。
もし採寸や取り付けに不安がある場合は、業者や当店の商品を利用することで、手軽に安心してリフォームを進められます。
文中では、クローゼットの難易度は中(専用レールと金具の扱いが必要)と記載いたしましたが、簡単に取り付けられる後付けクローゼット商品もご用意しています。詳細は商品ページをご覧ください。