「ふすまって全部同じに見えるけど、うちのふすまにもクロスって貼れるの?」──そんな疑問を持ったことはありませんか?
実はふすまには、見た目ではわからない“構造の違い”があり、それによってDIYの貼りやすさや耐久性が大きく変わります。
この記事では、ふすまを8種類に分類し、それぞれの特徴とDIY向きかどうかをわかりやすく解説します。

和室リフォーム本舗、太田と申します。
建具業界に入って15年以上。
今はWEBやブログまわりを担当しています。
紙好きが高じて、襖紙の見分けにも自信あり。
実はフグ調理師免許も持ってます🐡
記事目次
ふすまの種類とDIYのやりやすさをご紹介

「うちのふすまにもクロス貼れるのかな?」と迷う女性
ふすまは表面の見た目だけでは違いがわかりづらいですが、実は中身の構造によって、貼りやすさや仕上がりのきれいさ、さらには耐久性まで大きく変わります。
とくにDIYで張り替えるなら、ふすまの「中に何が使われているか」を知っておくことがとても大切です。素材ごとに、貼れる回数や向いているクロス、注意点も違ってきます。
ふすまの構造を8種類に分けて、それぞれの特徴とDIYのしやすさをわかりやすく解説しています。
① 組子(くみこ)ふすま ※本襖・和襖タイプ

※こちらのイラストは、内装建材案内.jp様の画像を参考に作成させていただきました。
木製の骨組みに和紙を貼った伝統構造。フチを外して何度でも張替えができ、耐久性にも優れる。
木の骨組みに紙を何層にも重ねた、昔ながらの伝統的なふすまです。構造がしっかりしていて、湿度変化に強く、反りや歪みにも耐性があります。張り替えも比較的しやすく、現在でも多く使われています。
材質 | 組子ふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | ◎ とても向いている。正式な張り替え方は、ふすま縁(フチ)を外す必要があるので、手間というデメリットはある。 |
組子ふすま(和襖・本襖)について張替え手順を知りたい方はこちらの記事へ。
② 単板ふすま

木板を貼った構造。和襖寄りだが簡略化された構造。
ラワン材などの丸太を薄くスライスした板(0.7〜1.2mm程度)を骨組みに貼り付けたタイプ。構造は比較的軽量ですが、紙貼り作業にはやや手間がかかり、耐久性も中程度です。
材質 | 単板ふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | 〇 向いているが、薄板ゆえに反りに注意。 |
③ ベニヤ板ふすま ※戸襖と呼ばれています
組子に合板を重ねた頑丈なふすま。重量があり、張り替えしにくいことも。

組子の上に厚手の合板を貼ったふすまで、強度が高く頑丈です。その反面、重量が重くなりがちです。近年は片面に襖紙、もう片面にクロスを貼った「戸ふすま」として使われることもあります。
材質 | ベニヤふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | ◎ DIYに最適。初心者にも貼りやすい。 |
④ チップボールふすま
簡易構造・加工しやすい。リフォーム用途でよく使われる。

木の骨組みにボール紙(チップボール)を貼ったシンプルな構造。組子の本数は少なめですが、加工しやすく、張り替え作業の工程も少ないため、住宅リフォームなどでよく採用されています。
材質 | チップボールふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | 〇 向いているが、表面を傷つけないよう注意。 |
⑤ ダンボール芯ふすま ※量産襖タイプ

「量産」タイプで、重ね張りが基本。DIYにはやや不向き。
量産型のふすまとして一般的に普及しているタイプ。芯に数層のダンボールが使われ、湿気対策としてアルミ箔が仕込まれていることも。機械生産が可能でコストを抑えられる一方、重ね張りが基本のため、張り替えにはやや不向きです。
材質 | ダンボール芯ふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | △ 襖紙が全面に接着されているため、剥がして貼り直すのは難しく、上から重ねて張るのが一般的です。また、縁はボンドでしっかり固定されており、取り外しには適していません。 ※重ね張りは2〜3回までが目安です。 |
⑥ 発泡プラスチックふすま ※量産襖タイプ

軽量・安価。張り替えには不向き。集合住宅などで使用。
芯材にスチロールやスチレンなどの発泡素材を使用したタイプ。軽量で加工しやすく、量産にも適しています。張り替えには向きませんが、コストパフォーマンスに優れ、集合住宅などで使われています。
材質 | 発泡プラスチックふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | △ 軽量クロスなら施工できることもありますが、多くの襖は襖紙が強く接着されており、きれいに剥がすのは困難です。縁もボンドで留められているため、外さずに貼る方法が一般的です。 ※この方法は2〜3回の重ね張りが限度です。 |
⑦ ペーパーコアふすま ※量産襖タイプ

「量産」タイプ。ハニカム紙芯。軽量・安価・張り替え回数に制限あり。
芯材に紙素材をハニカム構造に加工したものを使ったタイプ。発泡素材と同様、軽くて扱いやすいですが、耐久性や張り替え性能はやや劣ります。重ね張りが基本のため、張り替え回数には限度(目安として3〜4回程度)があります。 数回のリメイクなら十分対応可能です。
材質 | ペーパーコアふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | △ 量産襖は紙が密着しているため、剥がして再施工するのは困難で、
重ね貼りが基本となります。縁も接着剤で強く固定されているため、外すのは現実的ではありません。 貼り重ねすぎると厚みが出て、ふすま同士が擦れる原因になるため、数回までが限度です。 |
量産襖の貼り方は簡単です!「自分で張り替えてみたい!」と思う方は、下記記事をご覧ください。
量産ふすまの張替え方については下記記事をご覧ください。
⑧ アルミ縁ふすま

芯材は量産型だが、見た目・耐久性が高い。交換前提の商品。
ふち材にアルミを使い、芯材には発泡素材や紙芯を組み合わせたふすま。耐久性が高く、見た目もシャープな印象です。張り替えよりも交換向けの商品として使われています。
材質 | アルミ縁ふすま |
見分け方のポイント |
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DIY張り替えの適性 | △ アルミ縁にクロスが密着しにくく、施工に工夫が必要。 |
ふすまの種類①~⑧について内装建材案内.jp(東京内装材料協同組合)様の「襖の内部構造」に関する情報を参考にし、一部を引用・要約しています。
出典元:内装建材案内.jp|襖の内部構造(東京内装材料協同組合)(2025年7月2日アクセス)
「自分でDIYは難しそう…」と感じるときは、「交換」も検討しよう

「張り替えは襖のフチを外さなきゃいけないし、自分にはちょっと難しそう…」
「手軽に重ね張りしたいけど、数回しか持たないなら気が進まないな…」
──そんなときは、ふすまごと交換という方法もあります。
和室リフォーム本舗では、既存の敷居や鴨居をそのまま使える「リフォーム戸ふすま」やお手頃価格の「ふすま」を販売中です。サイズオーダーにも対応しており、見た目も機能性もアップできます。
価格以上の満足感。しっかりした作りを求めるなら「リフォーム戸ふすま」がおすすめ

「リフォーム戸ふすま」は和室側は襖紙、洋室側は木目調シート。1枚で和洋どちらにもなじみます。既存の敷居や鴨居に対応。(※ベニヤ板襖)
コスト重視の方におすすすめ「ふすま」

一番リーズナブル。コスト重視の方に。
リーズナブルなので少しでもコスト押さえたい方にお勧めです。軽量で交換もスムーズにできます。(※ハニカムコア襖)
見た目は引き戸、価格はふすま。おしゃれとコスパを両立

引き戸風なのに、お値段はふすま寄り。
「ふすま=和」のイメージを一新。洋室にもなじむすっきりとした見た目で、お部屋の印象を手軽にアップデート。引き戸のようなスタイルを、ふすまの価格で叶えませんか?
まとめ:ふすまの種類を知るとDIYはもっと簡単になる
ふすまの素材は一見地味な違いに見えますが、成功するDIYには欠かせない情報です。ご自宅のふすまに適したDIY方法を選ぶことで、リフォームの失敗を防ぎ、仕上がりもぐっと美しくなります。
あなたのふすまにぴったりの方法を見つけて、DIYを楽しんでみてくださいね。