和室は、日本の伝統美と落ち着きが息づく空間です。しかし現代の暮らしに合わせて少しの工夫を加えることで、居心地がよく、洗練された「おしゃれな和室」へと生まれ変わります。
本記事では、和室のデザインアイデア、収納・照明の工夫、植物の取り入れ方など、具体的な改善ポイントをご紹介します。
なお、こちらの記事では空間演出とインテリアデザインに特化しており、「襖や障子の張替え」や「クローゼットリフォーム」などの詳しい施工方法は別記事でご案内しています。

和室リフォーム本舗、太田と申します。
建具業界に入って15年以上。
今はWEBやブログまわりを担当しています。
紙好きが高じて、襖紙の見分けにも自信あり。
実はフグ調理師免許も持ってます🐡
目次
- 和室をおしゃれにするメリットと魅力
- おしゃれな和室の作り方:具体的なデザイン手法
- デザイン別のアイデア
- 和室リフォーム・DIYのポイント
- 和室ってこんなふうに感じていませんか?ありがちな“お悩みパターン”と解決イメージ
- ありがちな失敗例と、すぐできる改善アイデア
- よくある質問|和室をおしゃれに整えるうえでの疑問にお答えします
- おしゃれな和室づくりまとめ
和室をおしゃれにするメリットと魅力
和室をおしゃれに整えると、従来の「古風な部屋」から、家族や来客に喜ばれる心地良い空間へと変化します。
リラックスできる居心地の良さ
畳の柔らかい踏み心地は、心身を自然にリラックスさせます。
柔らかな色調の畳と、低めの家具や座椅子を組み合わせると、長時間過ごせる快適な空間に変わります。
防音効果とクッション性で快適な空間に
畳は音を吸収し、歩行時の衝撃もやわらげます。
防音性・耐久性に優れたカラー畳を選ぶことで、デザイン性も向上します。
多用途に使える汎用性の高さ
和室は、客間・寝室・ワークスペースなど多目的に活用可能。
押入れや天袋を工夫するだけで、より機能的に使えます。
日本の伝統とモダンの融合による独特の雰囲気
障子・襖・床の間といった伝統的な要素に、現代的な素材や家具を加えると、和室は一層おしゃれに。
たとえば、
- 床の間に現代アートを飾る
- 和紙シェードにLEDを組み合わせる
- 畳と無垢フローリングをミックスする
などで、和と洋の調和した独自の雰囲気を演出できます。
押入れリフォームの詳細はこちらの記事が参考になります
関連記事: 押入れをクローゼットにリフォームする方法とそのメリット
おしゃれな和室の作り方:具体的なデザイン手法
和室を現代風に整えるポイントは、畳・照明・壁・収納・植物の5つです。
畳をおしゃれにしたい!
畳は和室の印象を左右する大きな要素です。最近では、従来のい草だけでなく、カラー畳や縁なし畳など、選べるデザインが豊富になっています。
ここでは、空間をセンス良く見せる畳選びのポイントをご紹介します。
カラー畳や縁なし畳の活用
- グレーやベージュなどのカラー畳で一気にモダンに
- 縁なし畳で空間を広く見せる
- 畳目の向きを交互にして陰影と奥行き感を演出
出典元:畳と畳の縁(へり・ふち)で人気なコーディネートは?
おしゃれな和室にするために(DAIKEN)
※外部ページへ遷移します。
おしゃれな照明にしたい!
照明は部屋の印象をガラリと変える重要な要素。和紙や竹など、自然素材を使った照明にすることで、和室のやわらかさを引き立てることができます。
和紙・竹の照明器具+ダウンライト
- 和紙や竹シェードは柔らかい光で落ち着く
- ダウンライトで明るさとモダンさを両立
- 調光機能で昼夜の雰囲気を変化
壁もおしゃれにしたい!
壁面は意外と見落としがちな部分ですが、壁紙や塗り壁を変えるだけで部屋の印象が一変します。素材や色にこだわって和の雰囲気をより引き立てましょう。
アクセント壁紙や漆喰で表情をつける
- 白や淡いグレーの和紙調壁紙で清潔感
- 1面だけ柄入りのアクセントクロスで洗練感
- 漆喰壁で調湿+自然素材の温かみをプラス
収納スペースだっておしゃれにしたい!
押入れや天袋などの収納も、工夫次第で和室のデザイン要素になります。収納を隠すだけでなく「見せる」ことも、おしゃれな和室づくりの一手です。
見せる収納で工夫
- 押入れの扉を外してオープン棚に
- 畳下収納で床面を有効活用
- 籐や竹製のカゴで和室と自然に調和
襖の溝はそのまま活用できる『後付け』クローゼットをご覧いただけます。
自然光と緑を取り込みたい!
自然の光と植物は、和室にやすらぎと四季の変化を与えてくれます。窓辺や床の間を活用して、グリーンを上手に取り入れましょう。
- 障子越しの柔らかい光で落ち着いた雰囲気に
- 中庭や庭の緑を窓から取り込む
- 床の間や窓辺に観葉植物や苔玉を置いて季節感を演出

デザイン別のアイデア
和室といっても、取り入れる素材や家具、照明の組み合わせによって印象は大きく変わります。
ここでは、テイスト別に「おしゃれな和室」のスタイル例をご紹介します。好みに合わせてコーディネートの参考にしてください。
- モダン:白壁+黒縁なし畳+間接照明
- 北欧テイスト:グレー畳+白木家具+ファブリック
- 開放的なリビング:段差ゼロでリビングと一体化
- 中庭とつながる:大開口+ガラス障子で自然を感じる
- 6畳コンパクト:造作収納+畳下収納で広く見せる
重ね張りタイプのふすまの張り替え方をご覧いただけます。
関連記事: 襖の張り替え方法|量産タイプなら重ね張りで手軽にリフレッシュ!
張り替えタイプ
関連記事: 襖の張り替えで和室がよみがえる!黄ばみ・破れもスッキリ解消【和ふすま編】
和室リフォーム・DIYのポイント
和室のリフォームは、賃貸でも持ち家でも、規模に合わせてできることがたくさんあります。
ここでは、住まいのタイプや経験値に応じたDIYのポイントを簡潔にご紹介します。
- 賃貸は置き畳や剥がせる壁紙で手軽に
- 持ち家ならカラー畳や建具交換で本格リフォーム
- DIYは障子紙の張替えや照明・収納から始めるのが安心
襖や障子の張替え方法と費用はこちらの記事で詳しく解説しています:
襖の張り替え費用について
関連記事: ふすま(襖)の張替え費用はいくら?DIYと業者の相場を徹底比較!
障子の張り替え費用について
関連記事: 障子の張替え費用って、実際いくらかかるの?DIYと業者の価格を徹底比較
和室ってこんなふうに感じていませんか? ありがちな“お悩みパターン”と解決イメージ
パターン①:畳が古く、なんだか部屋が暗い
→ 明るめのカラー畳に替えるだけで、部屋全体がすっきりした印象に。縁なしタイプなら広さも演出できます。
パターン②:押入れの使い方が分からず、物が詰まっている
→ 扉を外してオープン棚にすれば、“隠す収納”から“見せる収納”へ。カゴやボックスを使えば生活感も軽減されます。
パターン③:昼はいいけれど、夜になると照明が味気ない
→ 和紙や竹のシェード照明で柔らかな光を取り入れると、畳との相性も抜群。ダウンライトとの組み合わせもおすすめです。
ありがちな失敗例と、すぐできる改善アイデア
和室をおしゃれにしたいと思っていても、少しの工夫不足で「ちぐはぐな印象」になってしまうこともあります。ここでは、よくある失敗例とその改善ポイントをご紹介します。
失敗1:家具の色や高さがバラバラで圧迫感が出る
→ 改善案:高さを抑えたローボードや木目調の家具で統一感を出す
床に座る生活スタイルに合わせて、背の低い家具を選ぶと空間が広く見えます。
失敗2:カーテンやラグが派手な柄や色で落ち着かない
→ 改善案:無地ベースのナチュラルカラーに統一
生成色・ベージュ・淡いグレーなど、畳との相性が良い色味でまとめると調和がとれます。
失敗3:小物や収納が散らかって見える
→ 改善案:カゴや布張りボックスで“隠す収納”を取り入れる
特に自然素材の収納アイテムは、和室の雰囲気とも相性抜群です。
よくある質問|和室をおしゃれに整えるうえでの疑問にお答えします
Q1. 畳の色や素材ってどう選べばいいの?
→ 和室の印象は畳で大きく変わります。落ち着いた雰囲気にしたいならベージュやグレー系のカラー畳がおすすめ。縁なしタイプはモダンで空間が広く見えます。天然い草が良ければ、国産の目が詰まったタイプを選ぶと高級感もアップします。
Q2. 賃貸住宅でも和室をおしゃれにできますか?
→ はい、できます。置き畳・はがせる壁紙・照明の工夫だけでも十分に雰囲気は変わります。襖紙を貼り替えるだけでも印象がガラリと変わるので、原状回復が前提でも楽しめます。
Q3. 和室に観葉植物って合いますか?
→ とても合います。特に畳や障子の柔らかい印象と、グリーンの自然な色味は相性抜群です。おすすめは「苔玉」や「小さめの観葉植物」。床の間や窓辺にひとつ置くだけで、季節感や奥行きが生まれます。
おしゃれな和室づくりまとめ
- 和室は伝統美と現代的な快適さを兼ね備えられる
- 畳・照明・壁・収納・植物の工夫で印象が劇的に変わる
- 小さな改善から始めれば、長く愛着を持てる空間に
まずは、取り入れやすいアイデアから一つずつ試してみることが、おしゃれで居心地の良い和室づくりの第一歩です。