和室を洋室風にリフォームしたいけれど、「できるだけ費用は抑えたい」「自分でできる範囲で整えたい」と考えていませんか?
日本の住宅には昔ながらの「和室」が多く残っています。畳や襖、障子といった要素は落ち着きや趣を感じさせる一方で、「古臭い」「使い勝手が悪い」といった印象を持たれることも少なくありません。
特に賃貸物件や中古住宅では、和室が理由で入居希望者が敬遠したり、生活スタイルに合わず持て余してしまったりするケースもあります。
そこで近年注目されているのが、DIYで和室を洋室風にリフォームする方法です。大がかりな工事をせずとも、少しの工夫でおしゃれで快適な空間へと生まれ変わらせられます。
この記事では、和室を洋室風に整える具体的な方法を、襖・押入れ・壁・床・天井といった部位ごとに分かりやすく解説します。できるところから取り入れて、自分に合ったリフォーム方法を見つけてみてください。
この記事を書いている人
和室リフォーム本舗の太田明子です。建具業界に15年以上携わり、現在はWEBやブログを担当しています。紙好きで襖紙の知識には自信あり。 当社は創業昭和21年(1946年)。自社工場からメーカー直販で、全国へ建具をお届けしています。
襖を洋風にする方法
和室らしさを強く感じさせる要素のひとつが襖です。ここを変えるだけでも、部屋全体の印象は大きく変わります。
古い襖の上からリメイクシートを貼る

手軽に雰囲気を変えたい場合は、既存の襖の上からリメイクシートを貼る方法が取り入れやすいでしょう。
専用の弱粘着タイプを選べば貼りやすく、初心者でも挑戦しやすいのが魅力です。デザインも豊富なので、和室らしさを抑えて洋室になじむ印象に変えられます。破れや汚れが気になる襖も、シートを貼るだけで見違えるようにスッキリするでしょう。
ただし、仕上がりは襖紙の状態によって異なるため、一度に全面を貼るのではなく、まずは目立たない部分でテストしてから本貼りするのがおすすめです。
洋風の引き戸に入れ替える
より完成度を高めたい場合は、襖を洋風の引き戸に入れ替える方法もあります。最近では、既存の枠をそのまま活かして取り替えられる製品もあり、大がかりな工事をせずに洋室風の見た目へと変えられます。
リメイクシートに比べると費用はかかりますが、見た目の統一感や開閉のしやすさがアップし、日常的な使い勝手も良くなります。部屋全体を洋室に近づけたい場合には、おすすめの方法です。
押入れをクローゼットにする方法

押入れは和室特有の収納ですが、少し工夫するだけで洋室向けのクローゼットとして使いやすくなります。
襖の溝を活かしてクローゼット扉を付ける
既存の襖の溝を活かしてクローゼット扉を設置すれば、見た目を大きく変えながら収納としての使いやすさも向上します。枠を壊さずにDIYで取り付けできる製品もあり、比較的取り入れやすい方法です。
扉のデザインを部屋のテイストに合わせると、統一感のある洗練された空間に整えられます。
ハンガーパイプを設置して衣類収納にする
押入れをクローゼットとして使うなら、ハンガーパイプの設置が不可欠です。衣類を掛けられるようになれば、収納の使い勝手が大きく変わります。
押入れは奥行きが深いため、手前をハンガー、奥を収納スペースとして使い分けると効率的です。収納するものに合わせて高さや配置を工夫すると、より使いやすい収納になります。
壁を洋室風にする方法
和室の壁は土壁や砂壁、または和紙調クロスで仕上げられていることが多く、どうしても古さを感じやすい部分です。壁の仕上げを変えると空間全体の印象を一新できるため、優先的に検討したいポイントです。
壁紙(クロス)で洋室風にする
既存の壁の上からクロスを貼ることで、比較的簡単に洋室風の見た目に整えられます。最近ではDIY向けの施工しやすい商品も多く、初めてでも挑戦しやすい方法です。
やさしい幾何学模様やナチュラルな無地クロス、色はホワイトやグレージュなどを選ぶと、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
「壁全体に手を付けるのはハードルが高い」と感じる方は、壁の下半分にパネル材を貼る「腰壁」スタイルもおすすめです。木調や落ち着いた色味のパネルを使えば、北欧風やカフェ風の雰囲気を演出できます。シートタイプや両面テープで固定できる商品なら、より気軽に取り組めます。
塗装で仕上げる
よりナチュラルな質感を求める場合は、塗装で仕上げる方法もあります。クロスとは異なる風合いが出るため、空間に個性を持たせたい場合に適しています。
ただし、壁の状態によって仕上がりに差が出やすい点には注意が必要です。凹凸が大きい砂壁や繊維壁は、そのまま塗るとムラが目立ちやすいため、下地処理が必要になる場合があります。
また、汚れや剥がれがある場合も、そのまま塗装するときれいに仕上がりません。あらかじめ表面の状態を確認し、必要に応じて補修しておくと安心です。
畳をフローリングにする方法
床は空間の印象を大きく左右する部分です。
とはいえ、いきなり畳からフローリングへの張り替えとなるとハードルが高く感じるもの。ここでは、取り入れやすい方法から順に見ていきます。
フロアタイルを敷く
比較的取り入れやすいのがフロアタイルです。1枚ずつ敷いていくタイプで誰でも施工しやすく、さまざまな色柄から選べるのも魅力です。
ただし、フロアタイルは通常下地に接着して固定する床材。「置くだけ」の状態では端がめくれやすかったり、各タイルがずれやすくなったりするデメリットがあります。
「洋室の見た目に近づけたいけれど、大がかりな工事は避けたい」という場合にちょうどいい方法です。
クッションフロアを敷く
もっと手軽に済ませたいなら、木目柄のクッションフロアが向いています。シート状になっているため施工がしやすく、短時間で印象を変えられます。
一方で、柔らかい素材のため家具の跡が付きやすく、見た目がややチープに見えることもあります。
「まずは試してみたい」という軽いリフォームには使いやすいアイテムです。
「置くだけ」タイプのフローリングを敷く
しっかりした踏み心地や見た目を求めるなら、薄いフローリングがロール状につながった「ウッドカーペット」や、置き床タイプのフローリングも検討したいところです。畳の上にそのまま設置できる商品もあり、工事をせずにフローリングに近い仕上がりになります。
ただし、本物の木材を使用しているため重量がある点には注意が必要です。力に自信のない方は、二人以上で施工するようにしましょう。
また、厚みがあるため出入口などに段差が生じます。実際に使い始めてから気になるケースも多いので、事前にイメージしておくと安心です。
天井を洋室風にする方法
床や壁を整えても、どこか和室っぽさが残る。そんなときに見落としがちなのが天井です。
特に、竿縁天井のままだと和の印象が強く残りやすく、「なんとなく垢抜けない」と感じる原因になることもあります。
竿縁天井を整える
DIYで大きく構造を変えるのは難しいですが、見え方を整えるだけでも印象は変わります。
まず手軽なのは、色味を整える方法です。明るめの塗装やシートでトーンを抑えると、天井の主張がやわらぎ、空間全体になじみやすくなります。
もう少し踏み込むなら、板材を重ねてフラットに見せる方法もあります。ただし、この場合は固定方法や安全面に気を配る必要があります。
どこまで手を入れるかは悩みどころですが、不安がある場合や「見た目を大きく変えたい」と考える場合はリフォーム会社や工務店に相談しましょう。
照明・インテリアで洋室風に仕上げる方法
最後の仕上げとして効いてくるのが、照明とインテリアです。ここを整えると、全体の完成度がぐっと上がります。
大きく変えなくても、「なんとなく和室っぽい」という印象をやわらげられます。
照明で印象を変える
四角い格子型シーリングライトや大きな行燈風照明など、昔ながらの和室照明は、どうしても古臭い印象になりがちです。
小ぶりな乳白ガラスのペンダントライトやダウンライト風の照明などシンプルな器具に変えると、主張しすぎずスッキリした見え方になります。光の色も重要で、昼白色なら明るく軽やかに、電球色なら落ち着いた雰囲気に仕上がります。
もう少し雰囲気を出したい場合は、北欧系の照明を取り入れるのもおすすめです。やわらかい光とシンプルなデザインが和室にもなじみやすく、上質な印象に整います。
インテリアで洋室風に仕上げる
家具やファブリックも、空間の印象を大きく左右します。
例えば、ラグやカーペットを敷くだけでも畳の主張がやわらぎ、視覚的に洋室に近い印象になります。
家具は、低めのベッドやソファを選ぶのがおすすめです。空間になじみやすく、無理なく洋室寄りのバランスに整えられます。和室の高さとの相性もよく、圧迫感が出にくいのもポイントです。
また、障子をロールスクリーンやブラインドに変えると、空間全体がぐっとモダンな印象になります。
北欧風やアンティーク調のアイテムは和室になじみやすいので、好みに合わせて取り入れてみるとよいでしょう。
全部を一度に変える必要はありません。目に入りやすい部分から少しずつ整えていけば、無理なく雰囲気を変えられます。
和室をDIYでリフォームするメリットと注意点
和室の洋室化はDIYでも十分に取り組めます。ただし、実際にやってみると見えてくるポイントも多いもの。あらかじめメリットと注意点を押さえておくと、後悔しにくくなります。
DIYリフォームのメリット
- コストを抑えられる
- 自分のペースで進められる
- 好みに合わせて細かく調整できる
DIYの魅力は、まず費用面の負担を軽くできることです。材料費だけで進められるため、業者に依頼するよりもコストを抑えやすくなります。
また、作業の進め方を自分でコントロールできるのも大きなメリットです。週末だけ進めたり、気になる部分から少しずつ手を加えたりと、無理のないペースで取り組められるでしょう。
さらに、細かい部分まで自分の好みに合わせて調整できるのもDIYならでは。既製品ではしっくりこない部分も、自分で手を加えれば納得のいく仕上がりに近づけられます。
DIYリフォームの注意点(デメリット)
- 仕上がりに差が出やすい
- 想像以上に時間がかかる
- 構造に関わる部分は難易度が高い
- 作業範囲の見極めが必要
一方で、仕上がりにはどうしても個人差が出ます。リメイクシートのシワや床材のズレなど、小さな違和感が積み重なると、全体の印象に影響することもあるでしょう。
また、思った以上に時間がかかるケースも少なくありません。特に初めての場合は、余裕をもったスケジュールで進めると安心です。
床や天井など構造に関わる部分は難易度が高く、安全面にも配慮が必要です。
あらかじめ「どこまで自分でやるか」を決めておくと、途中で迷わず進めやすくなります。
【Q&A】DIYでの和室から洋室へのリフォームに関するよくある質問
Q:畳の上にクッションフロアを貼ってもいいですか?
基本的には可能ですが、畳が沈むため仕上がりが不安定になりやすいです。きれいに仕上げるなら、下地を整えるか置き床タイプのフローリングがおすすめです。
Q:押入れをクローゼットに変える費用はいくらですか?
DIYなら数千円〜数万円程度が目安です。扉交換なども行う場合は、数万円〜十数万円ほどかかることがあります。
業者に依頼する場合は、工事内容によもよりますが、10〜30万円程度が目安となります。
Q:襖の代わりになるものは何ですか?
洋風の引き戸や折れ戸のほか、カーテンやロールスクリーンでも代用できます。用途や見た目に合わせて選ぶと使いやすくなります。
まとめ|和室の洋室風リフォームはDIYでもできる!できるところから始めよう
和室を洋室風にリフォームする方法は、意外と身近なところから始められます。大掛かりな工事をしなくても、リメイクシートやフロアタイル、簡易クローゼット扉といったアイテムを取り入れれば、賃貸でも気軽に挑戦できるのが魅力です。
すべてを一度に変えようとすると大変ですが、まずは取り入れやすい部分から整えていくと、無理なく進められます。
「古臭い和室をおしゃれな空間にしたい」
「押入れをクローゼット化して洋室のように使いたい」
そんな方は、ぜひこの記事で紹介した方法を取り入れてみてください。DIYの工夫次第で、古くなった和室も快適でモダンな空間に生まれ変わります。

