木材と一口に言っても、種類によって色や木目、硬さ、重さ、加工のしやすさ、耐久性などは実にさまざま。そのため住宅や家具、ドアなどの建具をつくる際も、それぞれの用途や場所にぴったりな特徴を持つ樹種が選ばれています。
中でもスギやヒノキは、日本の暮らしにおいて身近な存在です。また、昔から家具や建具によく使われてきたキリやケヤキ、ブナといった魅力的な木材もたくさんあります。
この記事では、代表的な国産木材8種類の特徴を一覧でご紹介します。「針葉樹と広葉樹の違い」や「用途に合わせた選び方」も解説するので、木材について知りたい方はぜひ参考にしてください。
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この記事を書いている人
和室リフォーム本舗の太田明子です。建具業界に15年以上携わり、現在はWEBやブログを担当しています。紙好きで襖紙の知識には自信あり。 当社は創業昭和21年(1946年)。自社工場からメーカー直販で、全国へ建具をお届けしています。
木材にはどんな種類がある?
木材は樹種によって性質が異なります。まずは基本的な分類として、「針葉樹と広葉樹」「国産材と外国産材」の違いから見ていきましょう。
針葉樹と広葉樹の違い
樹木は大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分かれます。

針葉樹と広葉樹では、樹木の特徴や木材としての性質に違いがあります。- 針葉樹(スギ、ヒノキ、マツ類など)
比較的軽くて加工がしやすいため、家の柱や梁といった構造材から、内装材、建具まで幅広く使われています。 - 広葉樹(キリ、クリ、ケヤキ、ブナなど)
針葉樹に比べて硬く重いものが多く、家具や床材(フローリング)などに重宝されています。
ただし、「針葉樹=柔らかい」「広葉樹=硬い」と一概に割り切れるわけではなく、実際の性質は樹種ごとに個性があります。
国産材と外国産材の違い
日本国内で育ち伐採された木材を国産材、海外から輸入される木材を外国産材(輸入材)と呼びます。
国産材にはスギやヒノキ、クリ、ケヤキなどがあり、外国産材ではウォールナットやチーク、オークなどがよく知られています。
産地だけで優劣が決まるものではないため、樹種ごとの性質や用途、求める木目・色合いなどから選ぶのがポイントです。
【一覧】身近な国産木材8種類と特徴
日本の住宅や家具、建具などでよく使われる国産木材8種類を一覧表にまとめました。
| 種類 | 分類 | 主な特徴 | 主な用途 |
| スギ | 針葉樹 | 軽く加工しやすい | 建築材・内装材・建具 |
| ヒノキ | 針葉樹 | 耐久性・耐水性に優れる | 建築材・床・建具 |
| ヒバ | 針葉樹 | 水や腐朽に強い | 土台・内装材・建具 |
| マツ類 | 針葉樹 | 強度や粘りがある | 梁・床材・造作材 |
| キリ | 広葉樹 | 非常に軽い | 家具・収納・建具 |
| クリ | 広葉樹 | 硬く耐久性が高い | 建築材・床・家具 |
| ケヤキ | 広葉樹 | 強度が高く木目が美しい | 家具・床・建具 |
| ブナ | 広葉樹 | 木肌がきめ細かく粘りがある | 家具・曲木 |
ここからは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
スギ|軽く加工しやすい代表的な国産材
スギは、日本を代表する針葉樹の一つで、軽く加工しやすいのが特徴です。
木目がまっすぐ通りやすく、心材は淡い紅色から赤褐色、辺材は白っぽい色合いをしています。柱などの建築材をはじめ、内装材や家具、建具に至るまで幅広く活躍しています。
ヒノキ|耐久性に優れた日本を代表する木材
ヒノキは、耐久性や水への強さに優れた針葉樹です。
上品で淡い色合いと細やかな木肌、そして心地よい独特の香りが魅力。建築材や床、高級感のある家具・建具によく選ばれています。
ヒバ|水や腐朽に強く耐久性が高い
ヒバもまた、水や腐りに強さを発揮する耐久性の高い針葉樹です。
フッと香る爽やかな香りと明るい色合いが特徴で、住宅の土台といった重要な構造部分から、内装材、建具まで頼もしい素材として使われています。
マツ類|強度があり美しい木目を楽しめる
マツ類には、アカマツやクロマツなど複数の樹種があります。
なかでもアカマツは比較的硬く、粘りや強度があるのが特徴です。また、はっきりとした木目や艶のある色合いも魅力。梁などの構造材だけでなく、天井材や床材、家具の天板など、木の表情を活かした仕上げにも使われています。
キリ|軽く湿気に強い家具・収納向きの木材
キリは驚くほど軽く、古くからタンスや衣装箱などに使われてきた広葉樹です。
淡い色合いとやわらかな木肌が特徴。加工もしやすいため、湿気を嫌う家具や収納、小箱、建具などに広く利用されています。
クリ|硬く耐久性に優れた木材
クリは硬く、耐久性や耐水性に優れた広葉樹です。
その保存性の高さは、なんと縄文時代の遺跡からも利用跡が見つかるほど。くっきりとした存在感のある木目が美しく、建築材や床、家具などに使われます。
ケヤキ|強度が高く美しい木目を楽しめる
ケヤキは、硬く強度があり、ダイナミックで美しい木目が特徴の広葉樹です。
耐久性にも優れ、木目を活かした家具や建築材、床、建具などに使われています。磨くことで美しい艶が出るため、強さだけでなく意匠性を求める場所にも適した木材です。
ブナ|きめ細かな木肌で家具にも使われる
ブナは明るいトーンと、きめ細かくすべすべとした木肌が魅力の広葉樹です。
硬さがありながらも「粘り」があるため、曲げ加工にも向いています。その扱いやすさを活かして、デザイン性の高い椅子やテーブル、曲木家具などに重宝されています。
木材の種類による4つの違い・比較ポイント
木材は樹種によって、見た目や性質が異なります。ここでは、木材を比較するときに注目したい4つのポイントを紹介します。
色・木目
木材の色や木目は、樹種を見分ける特徴の一つです。
白っぽいものから赤み・黄みを帯びたものまで色合いはさまざまで、木目の現れ方にも違いがあります。また、同じ樹種でも心材・辺材や個体によって色や木目が異なるため、自然素材ならではの表情を楽しめます。
硬さ・重さ
木材は樹種によって硬さや重さが異なります。
スギやキリは比較的軽く、ケヤキやクリなどは硬さのある木材です。硬いほどよいわけではなく、建具には軽さ、床や家具には強度など、用途に必要な性質から選ぶのがポイントです。
加工のしやすさ
切る・削る・曲げるなどの加工性にも、樹種ごとの違いがあります。
比較的柔らかなスギやキリは加工しやすく、ブナは粘りがあり曲げ加工にも利用される木材です。 加工方法やつくるものに合わせて、適した樹種を選びます。
耐久性・耐水性
長く使う場所や水・湿気の影響を受ける場所では、耐久性や耐水性も重要です。
例えば、ヒノキは耐久性や水への強さに優れ、クリも保存性の高い木材として古くから利用されてきました。
用途に合った木材の選び方
木材を選ぶ際は、樹種ごとの特徴と使用する場所を照らし合わせて考えましょう。
柱・床など住宅に使う木材
住まいづくりでは場所ごとに求める役割が変わります。柱や梁には「強度」、湿気がこもりやすい場所には「耐久性・耐水性」が欠かせません。また、床や天井など毎日目にする場所は、お部屋の雰囲気に合う「木目や色合い」で選ぶのもおすすめです。
テーブル・収納など家具に使う木材
家具は「使い勝手」と「デザイン」のバランスが大切です。日常的に負荷がかかるテーブルや椅子にはタフなケヤキやブナ、軽やかに引き出したい収納にはキリなど、特性を活かすことで家具がグッと使いやすくなります。
襖・障子など建具に使う木材
毎日開け閉めする襖(ふすま)や障子などの建具には、「軽さ」「加工のしやすさ」「反りや狂いにくさ」が求められます。
スギやヒノキなどは建具にも使われてきた木材です。特に木枠が見える障子では、木目や色合いも仕上がりの印象を左右します。
和室リフォーム本舗でも、愛媛県産・徳島県産の国産ヒノキを使った建具を取り扱っています。天然ヒノキならではの木目や質感も楽しめるため、建具を選ぶ際は使用されている木材にも注目してみましょう。
無垢材・集成材・合板は「木の種類」とは違う?
よく耳にする「無垢材」「集成材」「合板」という言葉。これらはスギやヒノキといった樹種の違いではなく、木材の「加工方法(構造)」の違いです。
| 種類 | 特徴 |
| 無垢材 | 丸太から切り出した木材 |
| 集成材 | 小さく加工した木材を接着してつくる木材 |
| 合板 | 薄くむいた木材を重ねて接着した板材 |
例えば、同じスギでも無垢材として使われる場合もあれば、集成材などに加工される場合もあります。
「樹種」と「木材のつくり方」は別の分類と覚えておくと、木材の違いを理解しやすくなりますよ。
【FAQ】木材の種類に関するよくある質問
木材の種類は何種類ありますか?
木材として利用される樹種は世界中に無数にあり、何種類と一概に数えることはできません。
日本だけでもスギやヒノキ、マツ類、クリ、ケヤキなど多くの樹種が利用されており、海外にもさまざまな木材があります。
家具に使われる木材の種類は?
国産材ではケヤキやブナ、キリなどが代表的です。
強度が必要なテーブルにはケヤキ、軽さが欲しい収納にはキリといったように使い分けられます。また、外国産材ではウォールナットやオークなども人気があります。
硬い木材の種類は?
今回ご紹介した国産材の中では、ケヤキやクリが比較的硬い木材に分類されます。
硬い木材は床や家具に適していますが、硬ければ絶対に良いというわけではありません。用途に合った扱いやすさや強度を総合的に見て選ぶのがおすすめです。
まとめ|木材の特徴を知って用途に合った種類を選ぼう
木材にはスギやヒノキ、キリ、クリ、ケヤキなどさまざまな種類があり、色や木目、硬さ、重さ、加工性、耐久性などに違いがあります。
住宅や家具、建具に適した木材も、求められる性質によって異なります。木材を選ぶ際は、見た目だけでなく、使う場所や目的に合った特徴を持つ樹種を選びましょう。
和室リフォーム本舗では国産ヒノキを使った建具も取り扱っています。木材そのものの特徴にも注目しながら、住まいに合った建具を選んでみてください。

