「親が住み続ける実家をきれいにしたい」「将来引き継ぐためにリフォームしたい」と思っても、何から手をつけるべきか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
実家をリフォームするなら、まずは今後の住まい方や建物の状態を整理し、必要な工事の優先順位を決めることから始めるのが失敗しないコツです。
この記事では、実家をリフォームするときに何から始めればよいのか、費用の目安や優先したい工事、補助金・減税制度などを解説します。
費用を抑えながらDIYできる部分も紹介するので、実家のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
この記事を書いている人
和室リフォーム本舗の太田明子です。建具業界に15年以上携わり、現在はWEBやブログを担当しています。紙好きで襖紙の知識には自信あり。 当社は創業昭和21年(1946年)。自社工場からメーカー直販で、全国へ建具をお届けしています。
実家をリフォームするなら何から始める?
実家のリフォームでは、すぐに工事内容を決めるのではなく、まず「これから誰が、どのように暮らす家なのか」を整理するのが大切です。
築年数の古い住宅では見えない部分が劣化している可能性もあるため、建物の状態や予算も確認しながら計画を立てましょう。
まず「誰が・どう暮らす家にするか」を決める
実家といっても、リフォーム後の使い方によって必要な工事は変わります。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
- 親がこれからも暮らし続ける
- 子ども世帯が実家を引き継いで住む
- 親子で同居・二世帯住宅にする
- 将来の相続を見据えて整えておく
親が住み続けるならバリアフリー化、子ども世帯が住むなら間取りや設備の変更など、目的によって優先順位も異なります。
まずは現在だけでなく、5年後、10年後の暮らしのイメージまで考えてみましょう。
建物の状態を確認して優先順位を決める
古い実家では、見た目よりも先に確認したい部分があります。
屋根や外壁の劣化・雨漏り・シロアリ被害・耐震性などに問題があれば、内装をきれいにする前に修繕が必要です。
予算を考えるうえでも、まず建物の状態を確認し、「必ず直す部分」と「余裕があれば直したい部分」に分けておくと計画を立てやすくなります。
家族で費用負担や名義を確認する

実家のリフォームでは、親と子のどちらが費用を負担するのかも早めに決めておきましょう。
特に、親名義の住宅を子どもの資金で増改築などを行う場合、贈与とみなされる可能性があります。住宅の名義や資金の出し方によって税金の扱いが変わるため、大規模なリフォームでは事前に税務署や税理士などへ確認しておくと安心です。
兄弟姉妹がいる場合は、将来の相続も含めて家族で認識を合わせておきましょう。
実家リフォームの費用はいくら?予算別にできること
実家のリフォーム費用は、工事範囲や住宅の広さ、劣化状態などによって大きく異なります。
ここでは予算別に、どのようなリフォームが考えられるのかを見てみましょう。
100万円未満|部分的な設備交換や内装リフォーム

100万円未満なら、気になる部分を絞ったリフォームが中心です。
たとえば、次のような工事が検討できます。
- 壁紙の貼り替えや床材の補修
- トイレ・洗面台などの設備交換
- 襖や障子の貼り替えや建具の交換
- 押入れなど収納のリフォーム
実家全体を一度にリフォームする必要がなければ、傷みや使いにくさが気になる場所から少しずつ手を入れるのもよいでしょう。押入れをクローゼットにリフォームする方法など、比較的小規模な工事から検討するのがおすすめです。
500万円前後|水回り交換・間取り変更

500万円前後になると、複数箇所をまとめたリフォームや、部分的な間取り変更も検討できます。
- キッチン・浴室など複数の水回りを交換する
- 和室とリビングをつなげて広い空間にする
- 使わなくなった部屋の用途を変更する
- 内装をまとめてリフォームする
ただし、設備のグレードや工事範囲によって費用差が大きいため、予算内で優先順位を決める必要があります。
1000万円前後|フルリフォーム・性能向上

1,000万円前後では、住まい全体に手を入れる大規模なリフォームも選択肢になります。
- 水回りや内装をまとめて一新する
- 大幅な間取り変更を行う
- 断熱性能を高める
- 必要に応じて耐震補強を行う
築年数の古い実家をこれから長く使うなら、見た目を新しくするだけでなく、住宅性能まで含めて改善するかを検討しましょう。
費用を抑えたいならDIYを取り入れる方法も

すべてを業者へ依頼せず、DIYできる部分を自分でリフォームすれば費用を抑えられます。
たとえば、壁紙の貼り替えや塗装、襖・障子の交換などは比較的DIYに取り入れやすい部分です。最近では、既存の枠を活かして取り付けられる建具などもあり、大がかりな工事をせずに室内の印象や使い勝手を変えられます。
一方、電気・ガス・給排水設備や耐震補強など、資格や専門知識が必要な工事は業者へ依頼しましょう。
古い実家はどこをリフォームする?優先したい4つのポイント
古い実家では、目につく内装だけでなく、安全性や快適性、将来の暮らしやすさも確認しておきたいところです。
特に次の4つは、リフォームの優先順位を考える際のポイントになります。
耐震・断熱性能を見直す
築年数の古い住宅では、耐震性や断熱性が現在の住宅より低い場合があります。
必要に応じて耐震診断や補強を行うほか、窓・床・壁・天井などの断熱性能を高めれば、夏の暑さや冬の寒さを改善できます。
これから長く住む実家なら、設備や内装とあわせて住宅性能も確認しましょう。
キッチン・浴室・トイレを使いやすくする
毎日使う水回りは、暮らしやすさへの影響が大きい場所です。
設備の老朽化だけでなく、掃除のしやすさや収納、動線なども確認しましょう。高齢の家族が暮らす場合は、浴室の寒さや段差、手すりの必要性などもチェックしておくと安心です。
段差や動線を見直して将来に備える
親が暮らし続ける場合は、将来を見据えたバリアフリー化も検討しましょう。
床の段差をなくす、手すりを設置する、開き戸を引き戸へ変更するといった方法があります。
また、昔ながらの丸いドアノブは、握って回す動作が必要なため、レバー式に変更すると開閉しやすくなります。大がかりな工事をせず、既存のドアノブに取り付けるだけでレバー式にできる商品もあるため、こうした小さな改善から取り入れるのもよいでしょう。
今は不便を感じていなくても、ほかの工事とあわせて整えておけば、将来的なリフォームの負担を減らせます。
襖・障子・収納など使いにくい建具を見直す
昔ながらの実家では、傷んだ襖や障子、使いにくい押入れなどが残っていることも多いでしょう。
建具は比較的小規模なリフォームでも見た目や使い勝手を変えやすい部分です。襖を洋室にも合うドアへ交換したり、押入れにクローゼット用の扉を取り付けたりすれば、今の暮らしに合わせて使いやすくできます。
和室リフォーム本舗では、既存の枠を活かしてDIYで取り付けられる「ふすまリフォームドア」や押入れ用の建具なども取り扱っています。
大規模な工事をする前に、「まずは古くなった建具から」という形で実家のリフォームを始めるのもひとつの方法です。
実家リフォームで使える補助金・減税制度
実家のリフォームでは、工事内容によって国や自治体の補助金、税制上の優遇措置を利用できることがあります。
なかでも対象になりやすいのは、次のような住宅性能を高めるリフォームです。
- 窓や壁などの断熱・省エネ改修
- 耐震診断・耐震補強
- 手すり設置や段差解消などのバリアフリー改修
まとまった費用がかかる工事ほど、補助金の有無で自己負担額も変わります。リフォーム内容を決める段階で、利用できる制度もあわせて調べておくのがおすすめです。
省エネ・断熱リフォーム
窓や壁、床などの断熱改修、省エネ性能の高い設備への交換は、国の住宅省エネ関連事業などの対象となることがあります。
さらに、一定の要件を満たせば、所得税の控除や固定資産税の減額措置を受けられるケースも。古い実家の暑さ・寒さが気になる場合は、補助金や減税制度も活用しながら、断熱性能の向上を検討してみましょう。
ただし、対象工事や補助額、申請期間は制度ごとに異なります。予算上限に達すると受付が終了する制度もあるため、早めに情報を確認しておきましょう。
耐震・バリアフリーリフォーム
古い実家では、耐震性や将来の暮らしやすさを考えた改修も補助対象になる可能性があります。
自治体によっては、耐震診断・耐震補強のほか、手すりの設置や段差解消などを独自に支援しています。要介護・要支援認定を受けた方が暮らす住宅なら、一定のバリアフリー工事に介護保険の住宅改修費を利用できるケースも。
なお、補助制度には契約や着工前の申請が必要なものもあるため注意が必要です。「工事が決まってから調べる」のではなく、リフォーム会社へ相談する段階で確認しておくとスムーズです。
実家リフォームで失敗しないための注意点
実家のリフォームでは、「とりあえず古いところを新しくする」だけでなく、建物の状態や予算、今後の使い方を踏まえて判断するのが大切です。
リフォームと建て替えを比較する
築年数が古く劣化が進んでいる場合、大規模なリフォームより建て替えのほうが適していることもあります。
特に基礎や構造部分の補修、耐震補強、断熱改修などが重なると、リフォーム費用も高額になりがちです。
建物の状態を調査したうえで、必要な工事費だけでなく、あと何年住みたいのか、どの程度間取りを変えたいのかまで含めて比較しましょう。
DIYと業者依頼を上手に使い分ける
実家リフォームの費用を抑えるなら、DIYと業者工事を組み合わせる方法があります。
壁紙や塗装、襖・障子などはDIYしやすい一方、構造や設備に関わる工事には専門知識が必要です。
「自分でできそうだから」と無理にDIYするのではなく、安全性や施工難易度を基準に使い分けるのが失敗を防ぐポイントです。
補助金を見据えて工事時期を計画する
補助金を活用したい場合は、制度の受付時期も考慮してリフォームのスケジュールを立てましょう。
補助制度には申請期間や予算上限があり、年度途中でも受付を終了する場合があります。希望する制度があるなら、いつ契約・着工するのかまで含めて施工会社と相談するのが大切です。
【FAQ】実家リフォームに関するよくある質問
実家のリフォーム代は誰が払う?
実家のリフォーム代を誰が払うかについて、決まったルールはありません。
親が負担するケースもあれば、子どもが費用を出すケースもあります。ただし、住宅の所有者と費用を負担する人が異なる場合は、贈与税などが関係する可能性があるため注意が必要です。
まとまった費用を負担する場合は、住宅の名義を確認したうえで資金計画を立てましょう。
子どもが実家のリフォーム代を払うと贈与税はかかる?
親名義の実家を子どもの資金でリフォームすると、贈与税がかかる可能性があります。
親名義の住宅に子どもが費用を負担して増改築などを行うと、親が子どもから利益を受けたものとして、贈与税の対象になる場合があるためです。国税庁でも、親名義の建物を子どもの資金で増築したケースについて、贈与税の課税関係を示しています。
住宅の名義や資金の出し方によって税務上の扱いは異なるため、高額なリフォームを予定している場合は、支払い前に税務署や税理士などへ相談しておくと安心です。
実家はリフォームと建て替え、どちらがいい?
リフォームと建て替えのどちらが適しているかは、建物の状態や今後の住み方によって異なります。
基礎や構造に大きな問題がなく、現在の間取りを活かせるならリフォームが有力です。一方、老朽化が進んでいる場合や、間取りを大幅に変えたい場合は建て替えも比較してみましょう。
費用だけでなく、耐震性・断熱性や今後住む年数まで考えて判断するのが大切です。
まとめ|実家リフォームは優先順位を決めて計画的に進めよう
実家のリフォームでは、まず誰がどのように暮らすのかを考え、建物の状態を確認したうえで必要な工事の優先順位を決めましょう。
すべてを一度にリフォームするだけでなく、古くなった設備や建具など、気になる部分から少しずつ改善する方法もあります。
和室リフォーム本舗では、襖や障子、押入れなど、実家に多い建具をDIYでリフォームできる商品を取り扱っています。
「大がかりな工事までは必要ないけれど、実家をきれいに使いやすくしたい」という方は、まずは建具のリフォームから始めてみてはいかがでしょうか。

